【特別授業】国連大学(UNU-IAS)のRicha Kandpal博士にご講演頂きました


全学自由研究ゼミナール「SDGsとその先へ:アジアのフィールドで問う未来のかたち」では、12月15日(#10)に、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)からRicha Kandpal博士をお招きし、特別授業・ワークショップをオンライン開催しました。


[Science project to first- and second-year undergraduate students, UTokyo]
“SDGs and post-2030: think about the future from Asian field” #10
December 15, 2021

Special lecture and workshop:
Issues of sustainability in India and SDG localization in Asia-Pacific
Dr. Richa Kandpal
Institute for the Advanced Study of Sustainability
United Nations University


 Richa Kandpal博士には、出身地で研究対象地でもあるインドに関するサステイナビリティと、国連大学で関わっておられるアジア・太平洋地域におけるSDGsのローカライズに関して、英語でお話し頂きました。
 前半はインドを事例に、大気汚染や水質汚濁、廃棄物管理、気候変動対策等を取り上げ、それらの背景と都市・農村が直面する諸問題、環境-経済-社会の間に存在するトレードオフの課題、インド政府による近年の対策等について教えて頂きました。
 後半には、SDGsを達成する上でのローカルレベルの戦略と実装の必要性、その際の地方自治体の役割、「自発的国家/自治体レビュー」(VNR, VLR: Voluntary National/Local Review)と呼ばれるコンセプトとその実例、コロナ禍が東南アジア諸国の地方自治体の活動と地域におけるSDGsの進展に及ぼした影響、持続可能な未来のためにパンデミックから学べる教訓等の点について、最新の成果も交えながら貴重な話題提供を頂きました。
 ワークショップでは、グローバルな課題解決におけるローカルな対応の重要性や、インドにおける自然と社会の多様性に関する事柄のほか、国連大学で得られる経験と職務の特徴、日本での留学経験や生活等、多様な質問があり、時間いっぱいまで活発なやり取りが行われました。

 履修学生と、本授業を担当する本プラットフォームの原特任助教、本学部・人文地理学教室の永田淳嗣教授が参加しました。


Dr. Richa Kandpal
JSPS-UNU Postdoctoral Fellow
Institute for the Advanced Study of Sustainability
United Nations University

専門:コミュニティ開発、公共政策、都市開発、SDGsに関するガバナンス
インド工科大学(IIT)カラグプール校で都市計画の修士号を取得後、京都大学大学院地球環境学舎に進学され、ムンバイ大都市圏を事例とした地域計画と社会制度に関する研究により、博士(地球環境学)の学位を取得されました。その後、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所(RIHN)研究員として「豊かさの向上を実現する生活圏の構築」プロジェクトに参画されたほか、全インド地方自治研究所(AIILSG)とビル&メリンダ・ゲイツ財団(B&MGF)の共同プロジェクトによる、インドの都市における水・衛生セクターの開発計画等にも携わられました。現在は、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)において、SDGsのローカライズに関する調査・研究に従事されています。
主な著書:COVID-19 and Progress on Subnational Localisation of the SDGs(UNU-IAS,2021年)

https://ias.unu.edu/jp/people/experts/richa-kandpal.html#profile

 

 

 

 


2021年12月16日